【愛するということ 】は,ドイツの社会心理学・精神分析・哲学の研究者である,
エーリヒ・フロム(1900年3月23日 - 1980年3月18日)の著書である.
フロムは,1957年から1961年までミシガン州立大学,
1962年から1974年までニューヨーク大学の精神分析学の教授を務めた.
フランクフルト学派のメンバーとは共同研究として「権威的な性格」を発表している.
愛ってなんぞや?って今更ながら思ったので,読んでみた.
フロムは,まず冒頭で【愛は技術だろうか?】と問いかける.
愛が技術だとしたら,知識と努力が必要だ.
それとも,愛は一つの快感であり,それを経験するかどうかは運の問題で,
運がよければそこに「落ちる」ようなものだろうか?
フロムは,愛は技術であるという前者の前提の上でこの本を書いている.
しかし,今日の人びとの大半は,後者のほうを信じているにちがいない.
愛は心の中にあるだけでは,ほとんど幸せを生まないし,相手にも伝わらない.
愛の行為が必要なのだ.したがって,愛と言う行為をするには技術が必要である.
技術を習得する過程は,便宜的に二つの部分に分けることができるとフロムは言う.
一つは理論に精通すること,もう一つはその習練に励むことである.
しかし,理論学習と習練のほかに,どんな技術をマスターする際にも必要な第三の要素がある.
それは,【その技術を習得することが自分にとって究極の関心事にならなければならない】,
ということである.なるほどね.
私たち現代人は,愛に渇えつつも現実には,そのエネルギーの大半を,
成功・威信・金.権力というような目標をいかにして手に入れるかかに費やし,
愛する技術を学ぼうとはしていない.
人間砂漠といわれる現代にあり,「愛」こそがわれわれに最も貴重なオアシスだとして,
その理論と実践の習得をすすめた本書は,世界的なベストセラーとして読み継がれている.
ちまたに溢れている,適当な「愛される」ための技術を書いていないのが好感.
愛の技術って何?って思った方は,ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
変なスピリチュアルだとか,自称カウンセラーや,
最近流行りの占い師(笑)が書いた本を読むより俄然おススメです.
でわでわ
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